気軽に映画を観るならAmazonビデオ

映画『真実』の元は「こんな雨の日に」という戯曲だった!

2018年、映画『万引き家族』でカンヌ国際映画祭パルムドールに輝いた是枝裕和監督。彼が次に選んだ作品は、フランスとの共同製作の映画『真実』でした。 

カトリーヌ・ドヌーヴとジェリエット・ビノシュという豪華キャストを迎え描くテーマは、「家族」の物語。フランスのキャスト、スタッフとタッグを組み、どんな世界を我々にみせてくれるのか。 

是枝監督の著書「こんな雨の日に 映画「真実」をめぐるいくつかのこと」を参考に待望の最新作を紹介してきます! 

真実(C)2019 3B-分福-MI MOVIES-FRANCE 3 CINEMA

 

映画『真実』あらすじ

フランスで国民的大女優であるファビエンヌ。彼女は自らの生涯を綴った自伝本「真実」を出版しました。 

真実(C)2019 3B-分福-MI MOVIES-FRANCE 3 CINEMA

その“出版祝い”のため、彼女の家に集まる家族たち。アメリカで脚本をしている娘のリュミール、その夫でテレビドラマ俳優のハンク、二人の娘・シャルロット、ファビエンヌの現在のパートナー兼料理担当ジャック、ファビエンヌの長年の秘書リュック。そこに集まった全員が本に何が書かれているか気が気ではありません。 

ファビエンヌが自伝に綴った物語は、嘘か真実か……。これまで表に出ることのなかったそれぞれの思いが胸に沸きあがります。 

果たして、真実とは?家族とは?是枝監督が世界に投げかける家族の物語です。 

元々の話は「こんな雨の日に」という戯曲から

映画『真実』には元のお話があります。それは、是枝監督が舞台で上演するために書いた「こんな雨の日に」という戯曲でした。 

 

キャリアの晩年を迎えた老女優の物語で、上演前と上演後の楽屋だけを舞台にした作品。結局実現に至らなかったのですが、「こんな雨の日に」の変形版ともいうべき、老女優の自伝本の発表をめぐる物語を思いついたのだそうです。 

海よりもまだ深く(C)2016 フジテレビジョン バンダイビジュアル AOI Pro. ギャガ

この時、すでに監督のイメージが記されたノートには、母をドヌーヴ、娘をビノシュ、TVタレントの夫をイーサン・ホークと書かれていたのでした。そして、2016年のカンヌ国際映画祭でのこと。映画『海よりもまだ深く』で是枝監督が参加している間に、ジュリエット・ビノシュとの打ち合わせが実現。ここで本格始動となったのでした。 

フランス二大女優の共演が実現したのは?

映画『真実』では、フランスのみならず世界でも認められた二大女優、カトリーヌ・ドヌーヴとジュリエット・ビノシュが初共演を果たしました。この二人、これまでチャリティーイベントなどで一緒になることがあった程度で、共演はありませんでした。

 フランスのスタッフでは思いつかないキャスティングだそう。それが実現したのは、言うまでもなく是枝裕和が監督するということにほかなりません。

 

是枝裕和監督のフランスでの名声

万引き家族(C)2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro.

2018年の映画『万引き家族』のカンヌ国際映画祭でのパルムドール受賞のみならず、これまでの是枝作品もカンヌ国際映画祭の常連。

実際に受賞したほかの作品では、2004年の映画『誰も知らない』での主演の柳楽優弥の最優秀男優賞、2013年の映画『そして父になる』での審査員賞などがあります。加えて、フランスでの公開経験もあり、その認知度は言うまでもありません。 

ジュリエット・ビノシュとの出会い

ジュリエット・ビノシュと是枝監督の始まりは、2011年のこと。コ・フェスタというイベントでビノシュを日本に招きました。 

インタビューのホストを務めたのが是枝監督。この時、ビノシュの方から「何か作品をご一緒に出来ないか」と依頼されたそうです。このことがきっかけで本作がはじまりました。 

カトリーヌ・ドヌーヴとの縁

歩いても歩いても(C)2008「歩いても 歩いても」製作委員会

カトリーヌ・ドヌーヴに関しても、ちょっとしたつながりが。映画『歩いても 歩いても』のキャンペーンで、是枝監督がパリを訪れていた時のこと。 

カトリーヌが会いたいと言っているという連絡を受けます。この時は会うことは叶いませんでしたが、その後も短いあいさつ程度の面会やカンヌでの映画の上映後、投げキッスをしてくれたことなどが重なりました。 

そこで、なんとなくお互いにうまくやれるかもという手ごたえがあったのではと監督は語っています。こうして、是枝監督の中では徐々に映画実現へのイメージが膨らんでいったようです。 

魅力的なキャストたち

主演の二大女優に加えて魅力的なキャストたちを紹介します。 

カトリーヌ・ドヌーヴ(asファビエンヌ・ダンジュヴィル)

カトリーヌ・ドヌーヴ出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

フランスを代表する大女優で「真実」という自伝本を出版したフェビエンヌを演じたのは、カトリーヌ・ドヌーヴ。

1943年生まれ。フランス・パリ出身。

10代の頃から映画に出演し、ミュージカル映画『シェルブールの雨傘』のヒットで一躍スターの座に。2002年には映画『8人の女たち』でベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞。 

2008年にはカンヌ国際映画祭で特別賞を贈られています。今回の役柄同様にカトリーヌ・ドヌーヴもまた、フランスの国民的大女優にほかなりません。

 

ジュリエット・ビノシュ(asリュミール)

ジュリエット・ビノシュ出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ファビエンヌの娘であり、アメリカで脚本家として活動しているリュミールを演じるのはジュリエット・ビノシュ。

1964年生まれ。フランス・パリ出身。

1984年の映画『ゴダールのマリア』、1985年の映画『ランデヴー』の出演で注目されます。続く1986年の映画『汚れた血』で国際的な評価を得て、1988年の映画『存在の耐えられない軽さ』でアメリカデビュー。

その後も内外で活躍し、セザール賞やヴェネツィア国際映画祭女優賞など数々の賞を受賞。1996年の映画『イングリッシュ・ペイシェント』ではアカデミー賞助演女優賞に輝きました。 

イーサン・ホーク(asハンク・クーパー)

リュミールの夫で、アメリカのテレビドラマで役者をしているハンクを演じるのはイーサン・ホーク。

1970年生まれ。アメリカ・テキサス出身。

子役でデビューするも学業のため一時中断し、1989年の大ヒット映画『いまを生きる』の生徒役で一躍脚光を浴びます。1994の映画『リアリティ・バイツ』、1995年の映画『恋人までの距離』、1997年の映画『ガタカ』など話題作に続けて出演。若手実力派をして人気を博します。 

2014年には映画『6才のボクが大人になるまで。』の父親作で、アカデミー賞助演男優賞とゴールデン・グローブ賞、英国アカデミー賞にノミネートされました。脚本や監督としての一面も持ち、そういう意味でも本作では是枝監督にとって頼もしいキャストになりました。 

クレモンティーヌ・グニエル(asシャルロット)

真実(C)2019 3B-分福-MI MOVIES-FRANCE 3 CINEMA

リュミールとハンクの娘シャルロットを演じるのはクレモンティーヌ・グニエル。

2011年生まれ。フランス出身。演技未経験ながら、本作のオーディションに見事合格。是枝監督を魅了し、シャルロット役を射止めました。

映画『真実』に込めた思い

映画『真実』の国際的な評価の高さ

映画『真実』が完成すると世界中から注目を浴びました。日本人監督初の快挙であるヴェネツィア国際映画祭でのオープニング作品に選定されたのです。

真実(C)2019 3B-分福-MI MOVIES-FRANCE 3 CINEMA

この豪華キャストに加え、異国のスタッフと言語の壁を乗り越え、文化の違いを楽しみチャレンジを成し遂げた先にできたのが、本作です。日本が誇る是枝裕和は、本作で日本から飛び出し、新たな一歩を踏み出しました。

映画の完成度の高さはもちろんのこと、日本でこれまで作られた作品とは少し違った是枝色を堪能できる、そんな映画になっています。 

映画『真実』に込めた思いとは……

本作の構想は16年前からあり、現在の形にリライトされていきました

真実(C)2019 3B-分福-MI MOVIES-FRANCE 3 CINEMA

よって、この作品には関係してはいませんが本作の準備中に亡くなられた樹木希林への想いがあるようです。 

それは、監督の中で樹木希林という映画作りのパートナーを失った喪失感に引っ張られないでいたいという気持ちから。


この映画を誰に一番見せたいかと聞かれたら、間違いなく彼女の名前を真っ先に挙げるだろうと。 

それくらい是枝監督におっては大きな存在だったのでしょう。そんな想いを受け止めながら、本作を鑑賞してもいいかもしれませんね。

 

(2019年11月現在の情報です。詳しい情報は公式サイトでご確認ください。)