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映画『Love Letter』から早24年!「岩井美学」の集大成ともいうべき映画『ラストレター』

Love Letter』や『スワロウテイル』、『四月物語』、『花とアリス殺人事件』など数々の名作映画を世に送り出してきた映画監督・岩井俊二。

その岩井監督が自身の体験した出来事を基にした物語を生み出しました。

監督の出身地である宮城県で撮影が行われましたが、意外にも本作で初の試みとなります。出演者も岩井組の顔ぶれ、話題のキャストからフレッシュな若手まで豪華キャストが集結。

音楽は映画『スワロウテイル』などで岩井とタッグを組んだ小林武史が担当しました。本作は、ほかにも注目ポイントが盛りだくさん!そんな映画『ラストレター』をたっぷり紹介していきます。

ラストレター(C)2020「ラストレター」製作委員会

岩井俊二原作・小説版「ラストレター」

映画『ラストレター』は、岩井俊二監督のオリジナル作品です。映画公開に先駆けて、原作小説「ラストレター」が文春文庫より刊行されました。

今から24年前、不朽の名作『Love Letter』が公開され、その物語の美しさに誰もが心打たれました。そんな岩井監督がこの度、私たちに贈る物語は「ラストレター」。手紙がもたらす二つの世代の愛の物語です

ラストレター(C)2020「ラストレター」製作委員会

岩井監督自身は、映画と原作小説に関してこう語っています。「映画は映画。小説は小説。双子のそれぞれの人生みたいな距離感を持たせないと、といつも考えていて。そういう意味で、“読後感”は映画と小説で異なると思います」と。

映画と小説の両方に楽しみがあるとは!さすが岩井俊二監督ですね。

 

映画『ラストレター』には中国版が存在する!?

今から約1年前。もうひとつの『ラストレター』が中国で誕生しました。その中国版『ラストレター』は、2018年11月、中国をはじめ、北米、オーストラリア、ニュージーランド、香港、シンガポールで公開されたのです。

中国版「ラストレター」ポスター中国版「ラストレター」ポスター

岩井監督が代表を務めるロックウェルアイズと中国出資で作られた映画でした。中国版タイトルは「チィファの手紙」。岩井監督初の中国映画であり、中華圏を代表する映画賞である金場奨にて、主演女優賞、助演女優賞、オリジナル脚本賞にノミネートされ、スイスの高級ウォッチ・ジュエリーブランドであるピアジェが与える賞(伯爵年度優秀奨)を受賞しました。

この中国版『ラストレター』で岩井監督は、原作、プロデュース、音楽、編集を担当し、日本人スタッフとして撮影監督の神戸千木や衣装の袴田知世枝が参加しています。

 

映画『ラストレター』の舞台は岩井監督の出身地

映画『ラストレター』の撮影は岩井監督の故郷である宮城県で行われています。仙台市を中心に、宮城県の各所と東京都内で撮影されていきました。岩井監督が宮城県を舞台にした映画を作るのは、意外にも今回が初めて。なぜ舞台を故郷にしたのかという理由は次のように語っています。

ラストレター(C)2020「ラストレター」製作委員会

主人公が書いてた小説なんですが、実は先に書き上げていました。それは自分の大学時代をベースに、横浜を舞台にした作品。この小説をよりどころとして、『ラストレター』を書いていました。だから今まで書いた物語の中で一番、底辺に自分のストーリーがある。それをトレースするように作り上げました。だから中学時代は必然的に仙台が舞台となったんです」と。

ラストレター(C)2020「ラストレター」製作委員会

これはより深い物語が期待できそうです。また、岩井美学の原点とも言える故郷で映画を作るということは、集大成的な意味合いもあるのかもしれませんね。

 

岩井俊二監督とは?

ここで改めて、岩井俊二監督のプロフィールを紹介します。

ラストレター(C)2020「ラストレター」製作委員会

1963年生まれ宮崎県出身。最初のうちは、PVのディレクターとして活動。1991年、オムニバスドラマ『Ifもしも』の1本として作られた短編ドラマ『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』がドラマとしては異例の日本映画監督協会新人賞を受賞。

この作品を放送したフジテレビでは、視聴者からの問い合わせが殺到したといいます。1994年の短編映画『undo』で映画監督としてデビュー。

 

続く、1995年に映画『Love Letter』がロングランヒットをとばし、1996年に珠玉の名作映画『スワロウテイル』が公開されました。

その後も、さまざまなジャンルで活躍し続け、内外に認められた唯一無二の監督。本作では、監督・原作・脚本・編集を一人でこなしています。

 

映画『ラストレター』あらすじ

裕里の姉・未咲が亡くなります。裕里はその葬儀の場で、未咲にそっくりの娘・鮎美から、未咲宛ての同窓会の案内を受けとります。そして、未咲が鮎美に残した手紙の存在も知ることに。

ラストレター(C)2020「ラストレター」製作委員会

未咲が亡くなったことを知らせるために、裕里は彼女の同窓会に参加します。そこで、学校のヒロイン的存在だった姉と勘違いされてしまうのでした。その場には、裕里の初恋の相手・鏡史郎も来ていました。

姉の未咲だと勘違いされたまま裕里と鏡史郎の文通が始まります。裕里はなんとか、未咲のふりをして手紙を書き続けますが……。

ラストレター(C)2020「ラストレター」製作委員会

その手紙のひとつが間違って鮎美に届いてしまうことから彼女は、鏡史郎、未咲、裕里の3人の学生時代の思い出を辿り出すのですが……。

 

映画『ラストレター』の豪華な出演者たち

映画『ラストレター』を彩る豪華キャストたち。そんな彼らを紹介していきます。

松たか子は、映画『四月物語』以来21年ぶりの岩井作品

ラストレター(C)2020「ラストレター」製作委員会

姉・未咲の死をきっかけに、再会した初恋相手・鏡史郎に“姉のふり”をして文通を始めることになる岸辺野裕里を演じるのが、松たか子です。彼女が映画初主演をした作品が岩井俊二監督の『四月物語』。21年の時を経ても、変わらぬ瑞々しい演技で本作にも臨んでいます。

ラストレター(C)2020「ラストレター」製作委員会

そんな松たか子は、1977年生まれ東京都出身。歌舞伎俳優一家の元に生まれ、父は二代目松本白鸚、兄は十代目松本幸四郎。女優としてテレビドラマ、舞台、映画と活躍し、歌手としても活動。近作では、映画「アナと雪の女王」シリーズにて、エルサ役で声優と主題歌を担当し一躍大ブームとなりました

 

岩井作品経験者の広瀬すずは1人2役に挑戦!

ラストレター(C)2020「ラストレター」製作委員会

岸辺野裕里の姉・未咲の娘、遠野鮎美を演じるのが、広瀬すずです。本作では、高校時代を回想する部分の未咲も広瀬すずが演じています。1人2役にチャレンジしているのです。

そんな広瀬すずは、1998年生まれ静岡県出身。姉は女優の広瀬アリス。モデルとして活動を開始し、「Seventeen」の専属に。

ラストレター(C)2020「ラストレター」製作委員会

その後、テレビドラマ、映画、CMなど彼女を見ない日はないほど露出しています。岩井監督とは、アニメーション映画としてリメイクされた『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』にて声優として起用されています。

2019年前期のNHK朝のテレビ小説『なつぞら』にて主演を務めました。

 

「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズの庵野秀明監督が俳優に!?

ラストレター(C)2020「ラストレター」製作委員会

主人公・裕里の夫で漫画家。同窓会以降、裕里と鏡史郎の浮気を疑っている岸辺野宗二郎を演じるのが、庵野秀明です。そんな庵野秀明は、1960年生まれ山口県出身。妻は漫画家の安野モヨコ

「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズの大ヒットにより一躍注目されます。その後、実写映画監督も担当し、映画『シン・ゴジラ』では総監督・脚本を担当しました。

ラストレター(C)2020「ラストレター」製作委員会

2013年のアニメーション映画『風立ちぬ』では主人公の声優に大抜擢されましたが、本作で実写映画初出演となります。庵野監督の映画『式日』にて岩井監督が出演しています。

 

最も注目の若手女優で映画『天気の子』の森七菜、主題歌も担当!

ラストレター(C)2020「ラストレター」製作委員会

裕里と宗二郎の娘。夏休みの間、鮎美と一緒に祖父母の家で過ごす岸辺野颯香と裕里の高校時代を演じるのが、森七菜です。そして、本作の主題歌「カエルノウタ」も担当し、歌手デビューも果たします

ラストレター(C)2020「ラストレター」製作委員会

そんな森七菜は、2001年生まれ大分県出身。行定勲監督が演出を務めたWebCMにて芸能界デビュー。

2017年の園子温監督のオリジナルドラマ『東京ヴァンパイアホテル』のヒロインに大抜擢され女優デビューも果たします。その後も映画『心が叫びたがってるんだ。』で映画初出演。2019年公開のアニメーション映画『天気の子』でもヒロイン役に抜擢されました。今後、最も活躍が期待される若手女優です。

 

Dragon Ash降谷建志と女優MEGUMIの長男が俳優デビュー!

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裕里と宗二郎の息子・岸辺野瑛斗を演じるのが、降谷凪です。Dragon Ash降谷建志と女優MEGUMIの長男。本作で俳優デビューするということで話題となっています。

そんな降谷凪は、2009年生まれ東京都出身。約200人のオーディション参加者の中から大抜擢されました。祖父も俳優の古谷一行。今後の活躍が楽しみな若手俳優です。

 

乙坂鏡史郎の現在を福山雅治、高校時代を神木隆之介が担当

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高校時代に未咲に恋をし、姉の死を伝えるために裕里が出席した同窓会で、裕里のことを未咲だと勘違いしたまま文通を始める現在の乙坂鏡史郎を演じるのが、福山雅治。高校時代の鏡史郎を演じるのが、神木隆之介。

福山雅治は、1969年生まれ長崎県出身。俳優デビューとともに、歌手としてもデビューを果たします。どちらの活動も並行して続け、写真家、番組MCなど幅広く活躍。

テレビドラマ「ひとつ屋根の下」シリーズが大ヒットし、「ガリレオ」シリーズなど話題作に次々と出演。近年は映画作品も主な作品に『そして父になる』や『マチネの終わりに』などがあります。

神木隆之介は、1993年生まれ埼玉県出身。子役から活動を始め、1999年のテレビドラマ『グッドニュース』でデビュー。俳優業もこなす傍ら、声優としても活躍します。

ラストレター(C)2020「ラストレター」製作委員会

スタジオジブリ作品では『千と千尋の神隠し』など4作品に出演し、アニメーション映画『サマーウォーズ』やアニメーション映画『君の名は。』などでも主役を務めています。

主な映画作品は『桐島、部活やめるってよ』や『3月のライオン』など。

 

岩井俊二監督映画『Love Letter』で共演した中山美穂と豊川悦司が再共演!?

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1995年に公開され岩井俊二初長編映画『Love Letter』。誤って送られてしまったラブレターから始まるラブストーリーです。本作の原点とも言うべき映画『Love Letter』で共演した中山美穂と豊川悦司が、再共演するということで注目を集めています。

未咲の元恋人の阿藤陽市を演じるのが、豊川悦司。その阿藤の同居人のサカエを演じるのが、中山美穂。

豊川悦司は、1962年生まれ大阪府出身。渡辺えり子主宰の「劇団3〇〇」に所属していました。1992年のテレビドラマ『NIGHT HEAD』で一躍ブレイク。

その後もテレビドラマ『愛していると言ってくれ』などの高視聴率ドラマや多くの話題作に出演しています。主な映画作品は、『Love Letter』や『必死剣 鳥刺し』など。 

中山美穂は、1970年生まれ東京都出身。1980年代にはアイドルとして一世風靡しました。1990年代に入ると、女優業にも力を入れ歌手活動と両立していくことに。

歌手として多くのヒット作を発表しながら、1995年の映画『Love Letter』での演技が高い評価を受け、女優としても活動の幅を広げていきます。

結婚を機にフランスへ移住していましたが、離婚後、本格復帰を果たしました。主な映画作品は、『東京日和』や『サヨナライツカ』など。

 

女優・木内みどりの最後の映画となる『ラストレター』

ラストレター(C)2020「ラストレター」製作委員会

裕里の母、鮎美と颯香の祖母・遠野純子を演じるのが、木内みどりです。2019年11月18日、病気のため亡くなったことが報じられました。

その時、出演作『夕陽のあと』が公開中でした。そして、2020年に公開される本作が、彼女の最後の出演作となります。

木内みどりは、1950年生まれ愛知県出身。夫は元西武百貨店社長の水野誠一。1965年に劇団四季に入団。

数々の舞台やテレビドラマに出演し、1971年の『「されどわれらが日々-」より別れの詩』で映画デビュー。バラエティ番組などでも活躍していました。近年の映画作品は、『幻の光』や『エリカ38』など。

昭和を代表する名女優がまた1人銀幕を去りました。

 

今なぜ手紙がキーワードに?

岩井監督は、これまで本作だけでなく、映画『Love Letter』でも“手紙”にこだわり映画作品を作っています。

この『Love Letter』が公開された1990年代と現代では通信手段も様変わりし、現代の物語で“手紙”に説得力を持たせるのはなかなか大変な作業だったのではないでしょうか。

ラストレター(C)2020「ラストレター」製作委員会

岩井監督は、「スマホを壊されて使えなくなった」というアイデアを基に構想を広げていったようです。そして、今回こだわったひとつに手書きということもあります。

それは監督の次のような思いから。「音楽の生演奏で聴くのが再評価されているのと同じように、手書きの手紙の価値もどこかできっと見直されると」。

スマホを活用している若者世代には新鮮に、学生時代に他の手段を持たなかった世代の人たちには懐かく思える本作。

そんな魅力がたくさん詰まった映画『ラストレター』は2020年1月17日より全国東宝系にて公開されます。


最後までご覧いただきありがとうございました!

(2019年12月現在の情報です。詳しい情報は公式サイトでご確認ください。)