トロント映画祭で最高賞である観客賞に輝いたジョジョ・ラビット。ヒトラーやナチスの野蛮な行動を少年の目線を通してコミカルに描いた作品です。
日本では1月に公開となりますが、今回はこのジョジョ・ラビットのあらすじやキャスト、また見どころに迫ります。
(C)2019 Twentieth Century Fox
ジョジョ・ラビット監督はTaika Waititi
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ニュージーランド出身のTaika Waititi(タイカ・ワイティティ)。アベンジャーシリーズでお馴染みなので、ご存知の方も多いのではないでしょうか?あの「マイティ・ソー バトルロイヤル」を監督、そして出演もしている人物です。
主に俳優として活躍していることが多いですが、マイティ・ソーだけでなく、シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイアなどの評価の高い作品もいくつか監督しており、彼の作品のファンは世界中におり、人気監督の1人です。
今回の「ジョジョ・ラビット」では監督としてだけでなく、自らがアドルフ・ヒトラー役としても出演しています。
本作が代表作の新人子役が活躍
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「ジョジョ・ラビット」は子どもの目線で第二次世界大戦中のドイツを描いています。なので、主演はもちろん子役となるのですが、このジョジョ役に大抜擢されたのが映画初出演のローマン・グリフィン・デイヴィス。
ヒトラーを信じてやまず、部屋にかざってあるのもヒトラーのポスター。イマジナリーフレンドもヒトラー、そして戦場へ駆り出されるために訓練を受ける「ヒトラーユース」と呼ばれるボーイスカウトのような団体にも所属。そんな「ジョジョ」を映画初出演とは思えない演技力で演じきっています。
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そして、ジョジョの親友で同じくヒトラー・ユースのメンバーであるヨーキ役には、アーチー・イェーツが配役されています。このアーチーもまた代表作が「ジョジョ・ラビット」のみという新人です。
戦場へ駆り出され活躍するヨーキですが、少し間抜けで憎めないキャラクターでもあります。そんな彼を見た目の可愛さ同様に愛嬌たっぷりに演じているアーチーにも注目です。
ジョジョ・ラビットあらすじ
第二次世界大戦が終わる寸前のドイツ。
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10歳の少年ジョジョは、ヒトラーユースと呼ばれるナチスのキャンプに参加しています。そのキャンプではウサギを殺せなかったことでジョジョ・ラビットというあだ名を付けられるジョジョ。何かあるとイマジナリーフレンドのヒトラーに励ましてもらい、口癖は「ハイルヒトラー」。ジョジョはナチスを信じ、忠誠心を持っているのですが、実は心優しい少年なのです。
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親友のヨーキと共にキャンプで訓練を積み、戦場へ向かうための準備をするジョジョでしたが、自宅の隠し部屋にかくまわれているユダヤ人の少女と出会うことで、政治的な考えが揺らぎ始めるのでした。
ジョジョ・ラビットのみどころ
TIFFで観客賞を獲得
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毎年トロントで開かれ、数々の映画祭の中で唯一、一般の観客が投票し、その観客賞が最高賞となるトロント・インターナショナル・フィルム・フェステイバル。この賞を獲得した映画は、オスカーでも作品賞として有力視されるものとなります。
その観客賞を今年受賞したのが、このジョジョ・ラビット。観客からだけでなく、評論家からも非常に高い評価を得ている映画です。公開前から期待が高まりますね。
ナチスの歴史を風刺
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ヒトラーが主人公のイマジナリーフレンドというあらすじから、ヒトラーのことをいい人物として描いているのでは?と思ってしまいますが、それとは真逆なのがジョジョ・ラビットです。悲惨な歴史であるナチスを風刺チックに描いてあります。
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ある意味でヒトラーに洗脳されたような子供たち、レジスタンスだと分かれば殺されてしまう市民。コメディ映画の部類ではありますが、子どもの目線を通して平和とはなにか、戦争とはなにか、をしっかりと描いてあります。監督から発せられるメッセージは明確です。
豪華キャストの面々
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メインキャストに大抜擢された子役たちを支えるキャストたちも超豪華なのがこの映画。ヒトラーユースの教官役に、「スリービルボード」でアカデミー賞最優秀助演男優賞を獲得したサム・ロックウェル、ジョジョの母親役にアベンジャーシリーズでもお馴染みのスカーレット・ヨハンソン。そして、イマジナリーフレンドとしてジョジョを励ますヒトラー役はタイカ・ワイティティ自身が演じています。
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特にこの教官役のサム・ロックウェルは、最高なキャラクターの1人であるため注目です。
ジョジョ・ラビット キャスト
スカーレット・ヨハンソン
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ジョジョの母親であるロージーを演じるのはアベンジャーシリーズでブラックウィドウとしても日本で大人気のスカーレット・ヨハンソン。一人息子であるジョジョを非常に大切に思っているシングルマザーであるロージー。2人で語り合うシーンは必見です。
タイカ・ワイティティ
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ジョジョのイマジナリーフレンドとして出現するヒトラーには、タイカ・ワイティティ監督自身が扮しています。ジョジョがユダヤ人の女の子と仲良くなるにつれて、彼の存在が180度変わってくる映画後半にも注目です。
サム・ロックウェル
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アカデミー賞受賞するほど、ハリウッドの中でも実力派のサム・ロックウェルが演じるのはヒトラーユースの教官であるキャプテン・クレンツェンドルフ。厳しいキャンプで指揮をとるのですが、それがなんだかコミカルで笑えるのです。フィンケルとの息のあった掛け合いも注目です。
アルフィー・アレン
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HBOの大ヒットシリーズ「ゲームオブスローンズ」でグレイジョイを演じ、その後も出演作が続くアルフィー・アレン。音楽ファンの間ではリリー・アレンの弟としても有名です。
そんな彼が演じるのは、ヒトラーユースでクレンツェンドルフの部下として活躍するフィンケル。彼もまた面白いキャラクターのひとりです。
トーマシン・マッケンジー
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ジョジョの母親がこっそりと匿っていたユダヤ人の少女であるエルサ。トーマシン・マッケンジーが演じるのは、このキーパーソンともいえるエルサです。
外に出ると捕まってしまうため、常に隠し部屋か家の中で過ごす彼女と、ジョジョのやりとりは心温まるものがあります。
映画 ジョジョ・ラビットまとめ
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2020年1月に公開のジョジョ・ラビット。
ナチスをコミカルに描くという、一歩間違えれば大批判されかねない題材をとてもうまくディレクションしたタイカ・ワイティティはオスカーの監督賞にノミネートされる確率は非常に高そうです。
こんな世界情勢だからこそ、見る価値のある映画だと思いますので、公開されたらぜひともチェックしてみてください。
(2020年1月現在の情報です。詳しい情報は公式サイトでご確認ください。)