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衝撃の問題作がついに公開!映画『ジョーカー』(ネタバレ注意!)

2019年に開催された第76回ヴェネツィア国際映画祭にて、金獅子賞(最優秀作品賞)を受賞した映画『ジョーカー』。バッドマンの宿敵・ジョーカーが、なぜ誕生したのかを描く物語です。

今回、ジョーカー役に監督から熱望されたのはホアキン・フェニックス。実力派の彼が、どんなジョーカーを作り出したのか非常に気になるところです。

日米同時公開されるや否や両国で首位を獲得。そんな話題の大ヒット作を紹介していきます。 

ジョーカー(C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics

映画ジョーカー、ストーリー

 

ピエロのメイクで大道芸人をしながら、病気の母の面倒とみている孤独ですが心優しいアーサー。彼も脳の障害を持っていますが、人々を楽しませたいという思いからコメディアンを夢みています。

偶然出会った同じアパートの住人・ソフィーに、秘かに惹かれていくアーサーなのでした。貧しくも夢を追いかける心優しい男が、なぜ“悪のカリスマ”ジョーカーへと変貌を遂げていくのか?衝撃の結末とは?

ジョーカー(C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics

今さらだけど、ジョーカーって?

ジョーカーとは、アメリカン・コミックの中のキャラクター。バッドマンの宿敵で、アメコミ界屈指の“悪のカリスマ”と呼ばれています。

ジョーカー(C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics

バッドマン同様に、超人的な力を有しているわけではありません。唯一の彼の武器はその狂気です。

殺人でさえも何の躊躇もなく行なうことができ、何をしでかすかわからない狂人、最強のサイコパスであるといえるでしょう。一方で、最強のヴィランとして絶大な人気を誇ってもいるのです。

 

歴代ジョーカーを紹介!

ジョーカーは、作品や演じる俳優によってそのキャラクターが異なります。これまで登場してきたジョーカーを紹介していきます。 

初代ジョーカー/シーザー・ロメロ

シーザー・ロメロ出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

テレビドラマの「バッドマン」シリーズを経て、1966年に映画『バッドマン』が公開されます。テレビシリーズと映画で共にジョーカーを演じたのが、シーザー・ロメロ。コメディ要素の強いジョーカーで、陽気でハイテンションなキャラクターでした。

 

2代目ジョーカー/ジャック・ニコルソン

ジャック・ニコルソン出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

1989年公開の映画『バッドマン』で、2代目ジョーカーことジャック・ネイピアを演じたのが、ジャック・ニコルソンです。初代とは打って変わって、ここにきてダークな悪役と変貌を遂げます。後のジョーカーの基礎ともいえるキャラクターを作り出しました。

 

3代目ジョーカー/ヒース・レジャー

ヒース・レジャー出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

2008年に公開された映画『ダークナイト』で3代目ジョーカーを演じたのは、ヒース・レジャーです。2代目ジョーカーをさらにサイコパスに仕立て上げ、大絶賛されました。

その役柄を徹底的に作り上げ、ジョーカーになりきるためにジョーカー日記をつけていたほど。しかしながら、本人は薬物併用接種が原因で帰らぬ人に。このジョーカーの演技で各賞を総ナメにしました。

 

4代目ジョーカー/ジャレッド・レト

ジャレッド・レト出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

2016年公開の映画『スーサイド・スクワッド』で4代目ジョーカーを演じたのは、ジャレッド・レトです。ヒース・レジャー同様、レイも役作りに参考にしたのが「バッドマン:アーカム・アサイラム」というコミック。

また、YouTubeでハードな映像を見ることや、精神科医やヘビーな犯罪者と面会するなど設定した役作りを行いました。

 

そして、本作でジョーカーを演じたのが、ホアキン・フェニックスです。これは、今までのジョーカーとはまた別の視点で描かれているので、その辺は次に紹介します!

 

初めて明かされるジョーカー誕生の物語

これまで、ジョーカーがなぜ誕生したかという話が映像化れることはありませんでした。本作では、そこに焦点を当てた初の映画となります。

「人は限界を超えた最悪な事態に遭遇すると、狂ってしまう」というテーマは早くから定着していましたが、そのことだけを描いた作品はありませんでした。そこに着目したのが、本作の監督、トッド・フィリップスです。

ジョーカー(C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics

乱立するアメコミ映画に風穴を開けたかったとのこと。現在、ハリウッドで作られていない映画はどんなジャンルか考えたときに、キャラクター・スタディだと気付きました。

そこで、アメコミのキャラクターで映画化するにはどのキャラクターがいいかと考えたときに、思いついたのがジョーカーでした。加えて、確固たるオリジナルストーリーがなかったということも相まって、本作が生まれたそうです。

https://twitter.com/warnerjp/status/1182614466329890816

しかも驚くことに、DCとワーナーの許諾がすんなり取れたことも大きな要因でした。また、トッド監督が当初からイメージしていたホアキンのキャスティングと、本作に多大なる影響を与えた映画『タクシードライバー』のロバート・デ・ニーロの出演の快諾を得たことで本作が製作されたことは言うまでもありません。

タクシードライバー出典:https://www.amazon.co.jp/

さまざまな要因がうまく組み合わさって完成した映画が、ジョーカーの誕生秘話でした。

 

ホアキン・フェニックスの熱演と共演者たち

本作で監督のトッドがジョーカー役に強く熱望したのが、
でした。ホアキンがなぜこの役を引き受けたかというと、トッド監督に共鳴したこととはもちろん、心が決まるまでさまざまなプロセスを経て演じるに至ったそうです。そんなホアキン・フェニックスとは一体、どんな人物なのでしょうか?

*ホアキン・フェニックスasアーサー・フレック(ジョーカー)

ホアキン・フェニックス©2019 Warner Bros. All Rights Reserved

1974年生まれ。役者一家のフェニックス家の次男で、兄は急逝したリバー・フェニックス、姉はレイン・フェニックス、妹はサマー・フェニックス。

子役から活動し、映画『グラデイエーター』でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされ話題となりました。その後も勢力的に活動し、2006年公開の『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』でゴールデングローブ賞主演男優賞とグラミー賞を受賞。

また2012年の映画『ザ・マスター』ではヴェネツィア国際映画祭男優賞を受賞しました。本作では、監督の要望で24㎏もの減量をして撮影に臨みました。

本当に痩せていて痛々しい程です。この役柄にはまさにピッタリでした。

 

ホアキン以外のキャスト

 

*ロバート・デ・ニーロasマレー・フランクリン

ロバート・デ・ニーロ©2019 Warner Bros. All Rights Reserved.

1943年生まれ。両親は共に画家でしたが、2歳の時に離婚。幼い頃から役者を目指し、女優で指導者としも有名なステラ・アドラーなどに師事し舞台に出演していました。

映画出演を初めた頃は、ブライアン・デ・パルマ監督と組んでいましたが、1973年にマーティン・スコセッシ監督の『ミーン・ストリート』に出演。以後、『タクシードライバー』など数多くのスコセッシ作品に出演します。

1974年には『ゴッドファーザーPARTⅡ』でアカデミー賞助演男優賞を受賞。1980年の『レイジング・ブル』でアカデミー賞とゴールデンウイーク賞にて主演男優賞を受賞しました。

本作は、『タクシードライバー』や『キング・オブ・コメディ』に影響を受けています。それもあって、トッド監督からロバート・デ・ニーロへ出演依頼があったとのこと。脚本を読んで快諾したそうです。

 

*ザジー・ビーツasソフィー・デュモンド

ザジー・ビーツ©2019 Warner Bros. All Rights Reserved.

1991年生まれ。ドイツ・ベルリン出身。

幼い頃にニューヨークに移り住みます。そこで地元の劇団に所属し、名門ラガーディア高校に進学。

舞台を中心に活動していたところ、2016年~テレビドラマ『アトランタ』出演で注目されます。その後も、『ジオストーム』や『デッドプール2』などに出演しました。バラエティ誌の「2018年注目の俳優10人」にも選ばれています。

 

*フランセス・コンロイas ペニー・フレック

フランセス・コンロイ©2019 Warner Bros. All Rights Reserved.

1953年生まれ。

芸術の名門・ジュリアード音楽院にて演技を学び、ブロードウェイやオフブロードウェイの数々の舞台に出演。その他、テレビドラマや映画にも多数出演しています。

その中でも、2001年~2005年まで続いたテレビドラマ『シックス・フィート・アンダー』ではゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞し、エミー賞には4度もノミネートされています。

 

さまざまな映画へのオマージュ

本作『ジョーカー』は1980年代初頭のゴッサムシティを舞台に描いています。それゆえ、映画のビジュアルや雰囲気もその当時を漂わせています。

 そして本作の中身においても、トッド・フィリップス監督も公言しているように、1976年に公開されたマーティン・スコセッシ監督の『タクシードライバー』を意識した作りになっています。それぞれの主人公の持つ孤独や鬱屈。それがある時、突然爆発してしまうなど共通点が多くみられます。

今回、ロバート・デ・ニーロを起用した理由も、監督からのオマージュからでした。そこからまた言えることは、ロバート・デ・ニーロの役どころです。

彼の主演作でマーティン・スコセッシ監督の『キング・オブ・コメディ』(1983年)からの影響もまた大きなものといえるでしょう。これは監督自身もインタビュー等で語っています。

本作の中で、デ・ニーロが演じるマレー・フランクリンは人気のトーク番組で司会者を務めています。アーサーの憧れの番組です。

キング・オブ・コメディ』のデ・ニーロの役もまた、テレビのトーク番組に出演したいと願っているコメディアン志望のルパート・パプキンです。また、本作のマレーの番組セットも明らかに『キング・オブ・コメディ』を意識しています。 

ロバート・デ・ニーロの作品以外にも、監督が意識した作品があります。それは、1973年の『セルピコ』や1975年の『狼たちの午後』だと監督は話しています。やはり、主人公や雰囲気と重なるところがあります。 

さらに、劇中で『モダン・タイムス』(1936年)が上映され、アーサーのピエロ姿にチャップリンというアイデアもあったとのこと。サイレント喜劇映画のようにセリフがなくても伝わるようにしたかったそうです。 

もちろん忘れてならないのは、これまでの「バッドマン」シリーズへのオマージュです。これは当然と言えば当然のことですが、これまでの「ジョーカー」があったからこその映画『ジョーカー』であることはほかなりません。

 

監督のトッド・フィリップスとはどんな人物か?

トッド・フィリップス出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

1970年生まれ。アメリカ・ニューヨーク出身。

ニューヨーク大学芸術学部在学中にドキュメンタリー映画『全身ハードコア CGアリン』を監督。2009年『ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』でゴールデングローブ賞のコメディ・ミュージカル部門で最優秀作品賞を受賞します。

 

その後も「ハングオーバー」シリーズの脚本と監督を担当。主にコメディ映画を手掛けてきました。

そんなトッド・フィリップス監督が本作に挑んだのは、コメディ映画が作れない時代になったからと語っています。笑わせようとしていると、怒りで返されてしまう。本作のアーサーのようだとも。

昨年2018年公開には、『アリー/スター誕生』で製作を務めました。コメディから新しい映画にチャンレンジしているようですね。

 

ヒットを続ける映画『ジョーカー』

映画『ジョーカー』は、日米当時に公開とともに大ヒットを記録しています。特にアメリカでは社会問題にまで発展しているとか。

本来、感情移入できるはずのないダークヒーロー・ジョーカーに観客が感情移入し共感を覚えているのです。それは、ジョーカーことアーサーが特別な人間ではなく普通に生きて、生活こそ貧しいですがコメディアンを夢見る心優しい人間だったからでしょう。

ジョーカー(C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics

そんな人間に降りかかる不幸の連続。あまりにも理不尽な仕打ちに、アーサーが気の毒でならない。我々は彼が純粋に生きていることを知っているからこそ、彼の側で感情移入してしまうのです。

ただ、ジョーカーはあくまでヒーローではありません。アーサーの不幸は同情に値しますが、それはそれですね。


バスの中で子供を笑わせるシーンがあります。母親に「止めて!」と言われてしまいますが、「ありがとう」とお礼を言われたら彼の人生が変わっていたかもしれない。本当は彼に幸せになってほしかったのにと思わずにはいられない映画でした……。

(2019年10月現在の情報です。詳しい情報は公式サイトでご確認ください。)