2011年のフランス映画「最強のふたり」は日本のフランス映画で歴代1位のヒットとなった作品です。
車椅子の男性と陽気な黒人男性のベストコンビが織りなす人生ドラマです。観終わった後にはきっとハッピーな気持ちになれる良作。グッドミュージックとキレキレのブラックジョークはさることながら、本当の幸せとは何かを考えさせてくれます。
本記事では、あらすじネタバレを含む感想やモデルとなった人物についてお伝えしていきます。
(C) 2011 SPLENDIDO / GAUMONT / TF1 FILMS PRODUCTION / TEN FILMS / CHAOCORP
映画「最強のふたり」ネタバレあらすじ
「最強のふたり」の詳しいあらすじ
パリ在住の大富豪フィリップ(フランソワ・クリュゼ)は頚椎損傷によって車椅子生活を送っていた。彼は首から下は一切の感覚がなく日常生活が困難なため、住み込みヘルパーの募集をしていた。
(C)2011 SPLENDIDO / GAUMONT / TF1 FILMS PRODUCTION / TEN FILMS / CHAOCORP
ある日の面接会場にドリス(オマール・シー)がやってくる。彼は、定職につかず失業保険受給の就活実績欲しさにやってきただけであった。しかし、フィリップはドリスを仮採用し翌日からフィリップ専属ヘルパーとして住み込みすることになる。
介護の資格や経験のないドリスだったが、他の使用人達に教えてもらいながら徐々に仕事に慣れていく。フィリップは少々気難しい性格の持ち主でもあり、今までのヘルパー達は全員2週間と続かなかった。しかし、ドリスは他の者達とは違った。
持ち前の自由な性格で、フィリップを特別扱いすることなく友達のように接していた。介護の仕事は少々雑だったが、当たり前のようにフィリップを車で街へ連れ出したり、タバコを勧め、女関係の質問をしたり。時にはフィリップの障がいさえジョークにして笑い飛ばした。
(C)2011 SPLENDIDO / GAUMONT / TF1 FILMS PRODUCTION / TEN FILMS / CHAOCORP
正式に採用となったドリスは、フィリップと親交を深めていく。フィリップは長年ある女性と文通をしていた。普段は堂々としているフィリップだったが、好意を寄せる相手に障がいのことを知られて幻滅されることを恐れていた。ある日、ドリスが強引に電話したことをきっかけに会うことになりますが、直前でドタキャン。
フィリップはドリスを呼び出して事故前の趣味だったパラグライダーをしに飛行機で飛びます。脊髄損傷の原因はパラグライダーの事故だったが、フィリップは吹っ切れた表情でパラグライダーを楽しんだ。
ある日、ドリスの弟がフィリップ邸を訪ねてくる。悪い仲間とつるんでいた弟は兄に助けを求めにきたのだった。フィリップはドリスの実家の事情を知って、住み込みの仕事をやめて家に帰るように促します。
ドリスは母親とも和解して、新しい職探しに前向きになる。一方フィリップは新しいヘルパーを雇う。しかしヘルパーは丁寧だが他人行儀で、フィリップとはやはり馬が合わず彼は殻に閉じこもるようになってしまう。他の使用人達はフィリップを心配してドリスを呼び出す。
(C)2011 SPLENDIDO / GAUMONT / TF1 FILMS PRODUCTION / TEN FILMS / CHAOCORP
ドリスはフィリップを海辺に連れ出して、フィリップの伸びきったヒゲを遊びながら剃ってあげた。ランチに予約したレストランに着席するが、ドリスは「俺は残らない。」と言い店を後にする。驚くフィリップ。そこへ現れたのは一度ドタキャンしてしまった、フィリップが思いを寄せる文通相手の女性だった。
正反対の二人が織りなす爆笑&感動ストーリー
「最強のふたり」は、観終わった後にハッピーな気持ちになれる作品です。障がい者の主人公が登場する映画というと、シリアスであったり泣ける映画をイメージされる方も多いのでは。しかし、この映画は違います。一言で言えば、超笑えます!
登場当初のフィリップは有り余る財産を持ちながらも、人に心を開かない堅物おじさん。そんなフィリップの心に土足でズカズカ入ってきて、ハイスクールで友達になったかのような態度で接してくるドリス。ちょっぴり雑だけど、真っ直ぐで譲れない正義感があるドリスのジョークは本当に笑えます。
(C)2011 SPLENDIDO / GAUMONT / TF1 FILMS PRODUCTION / TEN FILMS / CHAOCORP
心を開いたフィリップもユーモアのわかる人間で、ふたりの日常の掛け合いが非常にシュール。フランス映画特有の間がいい感じに笑いを引き出してくれます。最終的に親友のような関係になる結末もハッピーエンドで気持ちがいいです。
対比の描かれ方がうまい。
この作品ではいたるところに対比の描写が登場します。会話の内容から住んでいる場所まで正反対なふたりの比較が面白いんです。
例えば、ドリスの実家の風呂場とフィリップ邸のバスルームであったり、上品なクラシックとノリノリなソウルミュージックであったり。たくさんあるので見つけた時にクスッとなります。
最強のふたり、実在のモデルも!
この映画にはモデルが存在します。映画そのものが、フィリップの自伝をきっかけに作られたものです。
(C)2011 SPLENDIDO / GAUMONT / TF1 FILMS PRODUCTION / TEN FILMS / CHAOCORP
現実では10年間もの間、相棒として過ごしたそうです。ドリスことアブデルさんが住み込みヘルパーを辞めたのは、彼に恋人ができたことがきっかけということで、身内の問題というのはフィクションのようです。
ふたりとも新たな家族を持って幸せに暮らしているそうで、現実のモデルもハッピーエンドなところが嬉しいですよね!
映画「最強のふたり」は音楽もナイス!曲名は?
車の中のお気に入りの曲「September」
September/The Joker(Fatboy Slim & Earth, Wind&Fire)
映画冒頭で使用されている曲です。発作のフリをして警官に先導してもらいつつ、ふたりでドライブする爽快なシーン。ノリノリなふたりが可愛らしい。映画のはじめにこの一曲があることで、「最強のふたり」がハッピーでユーモアある作品だと期待させてくれます。
ドリスのヘルパー初期の曲「the ghetto」
the ghetto(george benson)
最初は介護の内容に戸惑っていたドリスでしたが、彼なりに楽しみながら仕事をします。仕事というより、自然体でフィリップを助けたり(適当すぎて助けなかったり)します。その日常がこのBGMとともに軽快に描かれます。
もはやフィリップで遊んでいるかのようなコミカルなシーンの連続。ドリスの陽気で遠慮しない性格にぴったりなリズムが心地よい一曲です。
パラグライダー中の曲「feeling good」
feeling good(Nina Simone)
普段と打って変わって怖がるドリスと、余裕のフィリップがパラグライダーを楽しむ名シーンです。空中で自由になったフィリップの穏やかな笑顔とドリスをからかう表情、大空でのパラグライダーの映像がBGMとマッチしていて印象深いです。もともとミュージカル内の曲だそうですが、様々なアーティストによてカバーされています。
映画「最強のふたり」の感想まとめ
ふたりの掛け合いもシュールで笑えるので、コメディ系の映画が好きな方にもおすすめですよ。ブラックジョークの中に見え隠れする男の友情が、あなたをハッピーな気持ちにしてくれます!
(2019年9月現在の情報です。詳しい情報は公式サイトでご確認ください。)