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映画『草間彌生∞INFINITY』世界的芸術家・草間彌生の半生を描くドキュメンタリー

草間彌生。世界的に活躍する女性芸術家です。水玉やカボチャの作品を一度は見たこともあるという人も多いのでは? 

ユニクロやルイ・ヴィトンなどファッションブランドとのコラボレーションでも話題となり、常に私たちに驚きと感動を与えてくれる唯一無二の存在です。そんな草間彌生自身の人生を追ったドキュメンタリー映画がこの度、公開されることになりました。 

監督は、ヘザー・レンズ。アメリカ映画です。今回は草間彌生という人物を改めて紹介しつつ、映画のみどころなども紹介していきます。 

草間彌生∞INFINITY(C)2018 TOKYO LEE PRODUCTIONS, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

草間彌生について

草間彌生をより理解するために、彼女のこれまでの人生を簡単に振り返ってみます。 

生い立ち

草間彌生は、1929年長野県松本市に生まれました。4人兄弟の末っ子で、家は種苗業を営んでいたため裕福でした。 

草間彌生∞INFINITY(C)2018 TOKYO LEE PRODUCTIONS, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

幼い頃から絵を描くことが好きだったといいます。一見、幸せそうな家族のようですが、実は放蕩を繰り返す父、虐待を加える母に育てられた草間は統合失調症という精神の病にかかってしまいます。 

視界が水玉で覆われ、花が話しかけてくるなどの幻覚や幻聴の症状が表れる病です。これに苦しんだために、絵を描いたり、作品を創ったりすることで精神を安定させてきたそうです。 

彼女の代名詞というべき、水玉はこの経験から発想しています。彼女にとって水玉模様を描くことは、身を守る儀式的な意味が込められていたのです。

日本画との出会いと失望、そして渡米への決意

そんな草間彌生は、京都市立美術工芸学校(現:京都市芸術大学)で日本画を学びます。しかしながら、伝統の良さを失い近代化されてしまった日本画壇に失望。 

草間彌生∞INFINITYSONG OF A MANHATTAN SUICIDE ADDICT, 2010-present. Image (C) Yayoi Kusama. Courtesy David Zwirner, New York; Ota Fine Arts, Tokyo/Singapore/Shanghai; Victoria Miro, London/Venice; YAYOI KUSAMA Inc.

松本の実家へ戻ってしまいます。失った何かを補うように、無心で絵を描き、作品を作り続けたそうです。 

日本でも、23歳という若さで松本市での初個展を開き、その後東京での個展も開きましたが、1957年、ついに渡米を決意します。 

ニューヨークでの活動

草間彌生が渡米した時は27歳。ニューヨークに拠点を置き、後にパートナーとなるジョゼフ・コーネルらと親しくなります。

ニューヨーク

このニューヨーク時代に彼女が残した功績は非常に大きなものでした。当時、彼女の起こした屋外でのヌード・デモや過激なパフォーマンス、インスタレーションの披露は「クサマ・ハプニング」と呼ばれました。 

高い人気を得ると当時に、強いバッシングも受けます。ですが、草間彌生は自らの芸術を貫き通すのです。 

彼女を突き動かしたのは、人種差別や男女差別、反戦などの強い想いでした。彼女が訴え続けた結果、人々に徐々に受け入れられていくのです。 

日本への帰国

1973年、草間彌生44歳のとき、パートナーであるジョゼフ・コーネルが亡くなります。その後は不安定な状態が続き、日本へ帰国します。 

アトリエ

帰国後は入院するまでに。それからずっと入院生活を送りながら、自身のアトリエに通うという生活を続けています。 

彼女曰く、入院していると精神が落ち着くのだそう。帰国後も、自身の病と戦いながら作品を発表していきます。 

彼女の死生観が反映されたコラージュ、小説の執筆などです。自身の体験を描いた小説は高い評価を受け、「クリストファー男娼窟」で第10回野生時代新人文学賞も受賞しています。 

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再ブレイクのきっかけ

ニューヨークから日本へ帰国し、しばらくの間、アートの世界から草間彌生は忘れられた存在となっていました。現在も続いている第一線での再ブレイクは、1989年に訪れました。 

草間彌生∞INFINITYPortrait of Yayoi Kusama in her studio. Image (C) Yayoi Kusama. Courtesy of David Zwirner, New York; Ota Fine Arts, Tokyo/Singapore/Shanghai; Victoria Miro, London; YAYOI KUSAMA Inc.

それは、ニューヨーク国際現代美術センターで開催された個展「インフィニティ・ミラーズ」です。本作のタイトルにもなっていますね。人々は彼女の作品に釘付けになりました。

その後の活躍は目覚ましく、人気俳優や世界的ファッションブランドとのコラボなどを発表し続けています。 

映画『草間彌生∞INFINITY』のあらすじ

草間彌生は長野県松本市で生まれました。幻覚や幻聴に悩まされながら創作活動を続けていた幼少期。周囲の人間は誰も彼女を認めてくれず、孤独に活動していた草間。 

アメリカで活躍していた女優画家ジョージア・オキーフの作品に出合い、草間の人生が大きく動き出すことに。オキーフの言葉に励まされ渡米を決めます。 

ジョージア・オキーフ出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ニューヨークでもっといい絵が描けるはずだと、書き溜めた2000枚の絵を河原で全て焼いてしまいます。彼女の創作への情熱はとても激しいものでした。

ニューヨークでの芸術活動においても、さまざまな困難に遭遇しながら、ひたむきに自身の活動を続ける草間彌生。高い注目の反動に巻き起こる激しいバッシング。もともとの持病と戦いながら、つらい日々を送る草間彌生の心は徐々に壊れてしまうのでした……。 

常に自身の持つ病と闘い、時に心を病み、それでも立ち上がっていく彼女の姿をヘザーの目線を通して観客に訴えています。そして、しばらく表舞台から姿を消していた彼女が再び脚光を浴びていく姿も描いているのです。

 

草間本人はもちろんのこと、彼女と密接に関わってきたキュレーターや美術史家、アーティストらにインタビューを重ね、貴重な過去の写真や映像を探しだし、本作で使用しています。 

映画『草間彌生∞INFINITY』を監督ヘザー・ラングが製作にいたるまで

『草間彌生∞INFINITY』の監督はヘザー・レンズです。ドキュメンタリー映画や自伝映画などを中心に手掛けている監督。 

草間彌生∞INFINITYPeter Moore, Photo of Yayoi Kusama with “My Flower Bed” in her NYC studio, c.
1965 (C) 2018 Barbara Moore / Licensed by VAGA at Artists Rights Society (ARS), NY, Courtesy Paula Cooper Gallery, New York.

ケント州立大学の美術学部を卒業し、南カリフォルニア大学の映画学部で美術学の修士を取得しました。その美術学生時代にはじめて草間作品に触れます。 

しかしながら、当時読むことができたのは彼女を特集したカタログ一冊だけでした。そこで、草間を探求していくうちにあることに気がつきます。 

それは「アメリカ美術界への貢献が適切に理解されていないこと」です。「長い間、精神科病院に住んでいると聞いて、素晴らしいアーティストであるだけでなく、複雑なストーリーがあって、それらと彼女の芸術をより多くの人に分かち合ってもらいたい」と考えたのだそうです。これがきっかけで本作の企画が立ち上がっていきました。 

草間彌生という芸術家

草間彌生がニューヨークで芸術活動をしていた当時は、高い注目度はあったものの、彼女のことを正当に理解し称える人たちは、数多くありませんでした。しかしながら、後のアメリカの芸術界に影響を与えたことはいうまでもなく、そこを敢えて映画『草間彌生∞INFINITY』のようにまとめるまでに至ったヘザー・レンズの功績も、また多大なるものでしょう。 

草間彌生∞INFINITYYayoi Kusama, Infinity Mirrored Room-Love Forever, 1966/1994. Installation view, YAYOI KUSAMA, Le Consortium, Dijon, France, 2000. Image (C) Yayoi Kusama. Courtesy of David Zwirner, NewYork; Ota Fine Arts, Tokyo/Singapore/Shanghai; Victoria Miro, London; YAYOI KUSAMA Inc.

草間の創作活動の源は、幼い頃からの病が大きく関わっているのはこれまでも多く語られてきました。自身を守るための儀式という表現もされています。 

彼女の作品に触れた人々は彼女の創作のパワーに勇気をもらい励まされてきました。草間彌生の作品は彼女を救うものだけではありません。 

世界中の人々に感動を与えているのです。そして、それは彼女自身の魅力にほかならないのでしょう。

 

 

監督ヘアー・レンズが語るみどころ

映画『草間彌生∞INFINITY』監督のヘザーは本作を通して、観客に草間の芸術に対する“一貫性”を感じてほしいと語っています。順風満帆に見える草間彌生は、成功と挫折を繰り返しながらも、自らの芸術性を変えることなく表現し続けるその姿のことでしょう。

 

幼い頃、草間が描いていた水玉やかぼちゃは、今では世界中の幅広い世代に愛されています。 

映画『草間彌生∞INFINITY』まとめ

アメリカでの活動があったとはいえ、日本人ではなくアメリカ人の監督が草間彌生というアーティストのドキュメンタリー映画を作ったことは非常に感慨深いもの。草間彌生は作品の持つパワーだけでなく、その生き様そのものが、我々に感動を与えてくれるのだということを改めて発見させてくれるのが本作です。 


今なお現役のアーティスト・草間彌生。彼女とその作品はもちろんのこと、本作『草間彌生∞INFINITY』も、末永く人々に愛され続けることでしょう。 

映画『草間彌生∞INFINITY』は、2019年11月22日より新しくオープンする渋谷パルコ8Fの「WHITE CINE QUINTO」にて全国ほかロードショー公開です。

(2019年11月現在の情報です。詳しい情報は公式サイトでご確認ください。)