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Paravi(パラビ)で見放題配信中!今だからこそ、TBSドラマ【カルテット】を語ろう

平成の世も明け、時代は新たな局面、令和を迎えました。去って行った平成の時代には様々な出来事がありましたが、ここでは平成を代表するTVドラマの名手、坂元裕二氏と、その集大成であったドラマ「カルテット」について、今だからこそ、語ってみたいと思います。

カルテット(C)TBS

平成の”化け物”、坂元裕二氏のキャリア

坂元裕二出典: https://www.oricon.co.jp/

「カルテット」について語る前に、まずは坂元裕二氏がいかにして名実共稀代にの脚本家となったのか、その歴史を紐解き、彼の強烈な”作家性”の源泉を探って行きたいと思います。

若干19歳でのデビュー!?異例すぎる初期キャリア

坂元裕二という男は、紛うこと無き天才であると、私は信じて疑わない。が、しかし、それは彼に研鑽の時代が無かったと思っている訳ではない。

坂元裕二氏が日本のテレビドラマ業界に初めて姿を見せたのは1987年(昭和62年)。

第一回フジテレビヤングシナリオ大賞を若干19歳という若さで受賞(余談だが、「101回目のプロポーズ」などで有名なあの野島伸司氏でさえ第2回、それも25歳での受賞である。)し、鮮烈なデビューを飾った。

当時はまだフリーターであった坂元氏だが、受賞を機に上京し、本格的にテレビ業界へと乗り出す事になる。

そして、1991年(平成3年)。「東京ラブストーリー」で空前の大ヒット、本作は社会現象を巻き起こすほどの人気を博し、坂元は一躍、人気脚本家となる。

カルテット(C)TBS

テレビから坂元が消えた!?空白の90年代後半

「東京ラブストーリー」後の坂元氏はトレンディドラマの書き手として、フジテレビで複数の作品(「二十歳の約束」、「海が見たいと君が言って」など)を手掛けていたが、そのキャリアは1996年の「翼をください!」を最後に空白の期間へと突入する。

その間の坂元に何があったのかは分からないが、次に坂元がテレビドラマの表舞台に顔を見せるのは2002年の「恋愛偏差値」である。

だが、この空白の期間がドラマ作家、坂元裕二に大きな変化を齎す事になる。

社会派ドラマの名手へと一躍転身!?

カルテット(C)TBS

2002年の復帰以降、坂元氏は再びテレビドラマの作り手としてコンスタントに作品を世に送り出すが、2010年、突如として坂元の”作家性”が爆発する。松雪泰子を主演に迎え、芦田愛菜という巨大なもう一つの才能を世に知らしめた話題作「mother」である。

本作は第1話からハードな展開のオンパレードである。

特に、ゴミ袋に入れられた幼子の凍える姿はテレビの前の視聴者の度肝を抜いた。

児童虐待という社会問題に焦点(照点)を当て、母性とは何かを描く本作から、坂元氏の脚本家人生は新たなステージへと向かう。

それは、マイナスをゼロにするドラマ作りである。

坂元は2018年11月、NHKのテレビ番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」内で、自身のドラマ作りに対してこう語っている。

「僕はマイナスにいる人がせめてゼロになる、マイナス5がマイナス3くらいになるとか、そこを目指しているから」と。

これこそが今日の坂元脚本の精神性であり、大きなテーマであるのだ。

社会の中で、貧困や孤独、様々な問題を抱えて生きる人々に向けて、ほんの僅かでも希望の光を当てようとする。

シングルマザーの貧困について描いた「Woman」。

加害者家族の罪悪感と被害者家族の苦しみを描いた「それでも、生きて行く」。

そして遂に、2017年1月。

TBS系ドラマ「カルテット」が幕を開ける。

 「カルテット」ってどんなドラマ?

出典:https://www.amazon.co.jp/

ここからはいよいよ本題、ドラマ「カルテット」について、その魅力を余すところなく語って行きたいと思います。

まずは簡単なあらすじからご紹介致します。

「大人の恋は、やっかいだ」”みぞみぞ”するあらすじ

カルテット(C)TBS

舞台は日本、軽井沢。

カラオケボックスから全員同時に退出するという”偶然”の出会いを果たした弦楽奏者、巻真紀(松たか子)、世吹すずめ(満島ひかり)、家森諭高(高橋一生)、別府司(松田龍平)の四人は、その場の勢いで弦楽四重奏(カルテット)グループを結成するが、メンバー達は皆、クセの強い変人だらけ。

各々、人に言えない過去や秘密を抱えていて・・・。

一話冒頭から、満島ひかり扮する世吹すずめに何やらおかしな依頼をする謎の老婆が登場したり、唐揚げの食べ方に独特の一家言を持つ男、家森の演説が炸裂したりなど、THE坂元ワールドな展開が続く。クセが強すぎる登場人物達のコメディ的なやりとりを追っているだけでも十分に面白いドラマなのだが、そこは流石の坂元裕二。次第に物語は混迷を極め、登場人物達の隠された真実が次々と明らかになって行く・・・。

「カルテット」はここを見よ!坂元的”モノ喩え”ストーリーテリング!

カルテット(C)TBS

本作を一度でも見たことのある方ならば、誰もが強烈に印象に残るであろう、一話冒頭の唐揚げにレモン論争のシーンだが、これは決してユニークなだけのシーンではない。坂元はこのシーンで、食卓の唐揚げにどう向き合うかを通して、キャラクター個々人のパーソナリティを語って見せるのだ。

神経質な人間、大雑把な人間、それぞれの人間性が垣間見えるやりとりに注目してください!

それ以外にも、後の展開を暗示するようなモノの使い方(画鋲、高級ティッシュ、みかんつめつめゼリーなど)や喩え話が続出するので、一分一秒たりとも見逃せないドラマ、それが「カルテット」の魅力です!

注目ポイントは、松たか子が念演じる真紀の自宅マンションの玄関、そこに置かれた革靴の向きです!

この演出は非常に細かくもありながら、物語の重大なヒントになりますので注目です!!もちろん、2回目の皆様も改めて注目して頂けると驚きが倍増しますよ!

ズシリとのし掛かる現実。それに立ち向かう為の”擬似家族”

カルテット(C)TBS

本作は序盤こそ、軽快なギャグと登場人物のおかしな掛け合いが魅力となるドラマですが、物語が核心へと迫って行くと、夢を追う事とは何か、夫婦とは何か、人は生まれから逃れられないのか等の重く苦しい現実がカルテットにのし掛かって行きます。ですが、彼らはその問題に対して、彼らなりの正義と彼らなりの価値観で向き合って行くのです。

坂元裕二氏は2010年の「mother」以降、現実の思わず目を背けたくなるような側面をまざまざと見せつけるように描く作風へと転換を遂げましたが、それ以外にも実は共通するテイストが存在します

それは”擬似家族”です。「mother」では偽の母娘。「anone」では偽札を作る共犯グループ。勿論、カルテットの四人も。

各々が抱えた秘密や過去を打ち明け、時に慰め合い、時に傷つけ合いながら、絆を形成し、家族になって行く。

この厳しく複雑な世界の中で、それでも、生きて行かなければならない。だからこそ、我々は恋をして、友を作り、人を愛する事でそれを乗り越えようとする。

坂元裕二氏の描く世界は、どこまでも残酷で現実そのものですが、だからこそ、そこに息付くキャラクター達の暖かな心の交わりもまた、まるで現実の出来事のように私たち視聴者の胸を打つのだと思います。

主題歌「おとなの掟」にもある通り、この世のあらゆる問題に「白黒つけるのは恐ろしい」事ですが、彼らはそれをどう乗り越えて行くのか。是非、その目で確かめてください!


今回、ご紹介させていただいた作品「カルテット」は動画配信サービス「Paravi」にて配信中!初回30日の無料体験期間もありますので、是非是非、お時間の空いた休日などに一気見して見てはいかがでしょうか?

(2019年6月現在の情報です。詳しい情報は公式サイトでご確認ください。)