近年、日本で大ヒットする映画の半数近くはアニメーション作品。
ディズニー、ピクサー、ドリームワークスなんていう有名どころはもちろんのこと、ジブリをはじめ、興業収入250億円という大ヒットとなった「君の名は。」の新海誠監督作品や、「サマーウォーズ」などの細田守監督作品など日本のアニメーションも外国勢に負けていません。
出典:https://www.amazon.co.jp/
アメリカのアニメーション・スタジオは上記のもの以外にもユニバーサル、ソニー、フォックスなど有名どころは多くあるのですが、そんな中でも近年ヒット作を多く排出しているのが「イルミネーション・エンターテインメント」です。
イルミネーション・エンターテインメントは「怪盗グルー」シリーズを筆頭に、大人気キャラクター・ミニオンが活躍する「ミニオンズ」、動物のキャラクターが歌って踊る「SING /シング」など、設立して10年あまりでヒット作を連発しています。
そんなイルミネーション・エンターテインメントの代表作の一つが今回紹介する『ペット』です。
3Dアニメーション映画ペットの制作陣、キャストなど
2016年に公開され日本でも40億円を越えるヒットとなり、世界興収は900億円超えの大ヒットとなった3Dアニメーション映画です。
大都会で暮らすペットたちの暮らしぶりを描いたコメディ作品!
ペットの製作陣
監督は「ロラックスおじさんの秘密の種」のクリス・ルノー、脚本はブライアン・リンチ。
このコンビは2019年公開の続編『ペット2』でも監督・脚本を担当しています。
ペットの声優・キャスト
日本語吹き替えを担当しているのは、メインのマックスとデュークをバナナマンの設楽統と日村勇紀が担当している他、バラエティ番組で活躍中のモデル・佐藤栞里、女優・永作博美、そして山寺宏一、中尾隆聖、銀河万丈、沢城みゆき、梶裕貴、宮野真守といった人気声優も多く出演しています。
ペット挿入歌
本作は劇中で流れる音楽も豪華で、オープニングで流れるテイラー・スウィフトを筆頭に、ファレル・ウィリアムズ、クイーン、ビル・ウィザースやヒップホップの楽曲なども使用されるなど、バラエティー豊かな選曲となっています。
映画『ペット』のあらすじ、感想
ペットのあらすじや見どころ、感想をご紹介します。
ペットのあらすじ
ニューヨーク・マンハッタンで暮らす小型犬のマックスは、飼い主のケイティと共に何不自由ない生活を送っていました。
マックスは、ケイティの帰りを待つ間は同じアパートに住む他のペットたちとつるんで楽しく過ごしていたのですが、ある日ケイティが保健所から大型犬のデュークを連れ帰ってきたことからマックスの生活が一変することになります。
ケイティからの愛情を独り占めにしようと何かと対立するマックスとデュークでしたが、ある事件をきっかけに二匹は大都会で迷子になってしまい・・・。
ペットの見どころ
これまでのアメリカのアニメーションに登場する動物たちは、擬人化されたキャラクターであったりファンタジー世界に登場することがほとんどでしたが、本作では人間社会の中で暮らしている”ペット”たちの日常をユーモラスに描いています。
ペットたちは飼い主が家を留守にしている間に集まっては、飼い主の秘密を暴露しあったり、愛嬌を振り撒く練習をしたり、テレビで他の動物を見たりと、飼い主の知らないところでペットたちが実に人間的な暮らしを送っているのがとてもユニークです。
動物たちは犬や猫を中心に、モルモット、インコ、ウサギ、ブタ、ワニ、トカゲ、蛇、タカなども登場するなどバラエティー豊かで、そのキャラクターも魅力的です。
対立していたマックスとデュークは、大都会の真ん中で迷子になることで人間に恨みを抱く”元ペット団”に追われることになり、下水道、アパート、工場などを舞台に協力して大冒険を繰り広げることになります。
ディズニー・ピクサーの大人気シリーズ「トイ・ストーリー」は、人間が見ていないところでのオモチャたちの姿を描いた作品ですが、本作はそれのペットバージョンといった感じかもしれませんね。
ペットの感想
本作はザックリ言うなら都会に住むペットたちの日常を想像して描かれた作品なんですが、そこに現代社会が抱えるペット問題や隣人関係の稀薄さなどをペットを通じて描いていたりするところもあるのですが、似たようなテーマの作品は沢山あるのでそれよりもキャラクターたちのユニークさを楽しむべき作品だと思いました。
人間たちに復讐を誓う”元ペット団”のリーダーが可愛らしい見た目のウサギであったり、大都会の下水道で様々な元ペットが集結していたりと、今の社会問題をシニカルに描きながらも基本的にはコミカルかつハートフルな作品なんです。
飼い主とペットが似ているというのも面白く、動物をデフォルメしたキャラクターにせずそのまま描いてもちゃんと個性が出ているのも良かったです。
物語の設定や展開はどこかで見たことのあるようなものばかりなんですが、ペットを飼っている人や動物好きには素直に楽しめると思います。
ペットまとめ
本作は「トイ・ストーリー」ほど感動的でもないですし、「ズートピア」のようなメッセージ性の強い作品でもないのですが、人間にもっとも身近な存在である”ペット”の日常を想像して描くことで、誰もが見やすくなっているんだと思います。
飼い主たちの知らないところで色んな冒険をしていたペットたち、自分達が暮らす街のすぐそばに数多くのスリリングさがあったり、捨てられたペットたちの気持ちを考えると悲しくなったりと、日常の隣には私たちの知らない世界が広がっていると思うとなんかワクワクします。
すでに『ペット2』の公開が決まっていますが、登場するペットたちの詳細や飼い主との関係性が明かされてくればもっと面白くなる作品だと思います!
(2019年7月現在の情報です。詳しい情報は公式サイトでご確認ください。)