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世界の終わりを旅する。日常系アニメ「少女終末旅行」が余韻たっぷりで面白い!

「少女終末旅行」は、WEB漫画サイト『くらげバンチ』(新潮社)で連載されていた漫画作品です。

少女週末旅行© つくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

文明が滅びた都市で、たった二人きりで彷徨う少女・チトとユーリの旅を描いた日常系ストーリーです。絶望してしまうような世界でも、様々なものに出会い一喜一憂するふたり。ゆるい日常系にも関わらず、哲学的とまで思える世界観が際立っていて不思議な魅力に溢れる作品です。

 

2017年にコミック4巻までの内容がアニメ化されています。本記事では、アニメのあらすじや登場キャラクターについて掘り下げてご紹介します。

 

物語が完結したわけではないので、結末が大変気になるところ!アニメの続きとなる完結済み原作のラストも考察していきます。

 

アニメ「少女終末旅行」のあらすじ

日常系アニメとは言っても、「少女終末旅行」の舞台は文明が廃退して人々がいなくなった都市です。そんな世界に生き残ったたったふたりの少女が、死と隣り合わせの毎日をゆるく旅していくストーリーです。

少女週末旅行© つくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

終末の世界には、チトとユーリとケッテンクラートだけ。

人類は姿を消し、廃墟と化した階層型都市。チトとユーリはケッテンクラート(半装軌車)にのって、暗い廃墟の中をさまよっていたーー。

少女週末旅行© つくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

幼い頃におじいさんに拾われて一緒に育ったチトとユーリ。ふたりは終末戦争の最中、おじいさんに「ふたりなら廃管置き場を抜けられる、上を目指しなさい」という言葉とともに逃がされた。チトの運転するケッテンクラートに、わずかな食料と必要なものを乗せて訳も分からないまま旅立った。

少女週末旅行© つくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

パイプ工場で迷ってしまい、疲れ果てて寝るふたり。寝相の悪いユーリはチトの腕をよだれまみれにして呆れるチト。濡れた手にわずかな風を感じたチト。風の吹いてくる方角を頼りに出口を発見する。やっと建物を出られたふたりは、最後のスープ缶を分け合いながら、滅びた世界に輝く星空を見て喜ぶ。

少女週末旅行© つくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

誰もいない都市には、雪が積もっていた。武器は有り余るほど落ちているのに、食べられるものは見当たらない。チトとユーリは、とりあえず食料を求めて再び彷徨う。

 

上層を目指すふたり。旅の途中での出会い

当面の保存食料を発見したふたりは、おじいさんから都市の上層階を目指せと言われていたことを思い出す。上に登る理由はわからないが、言われた通り上の階層へ登ることができそうな塔を目指す。

少女週末旅行© つくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

寒さや雨を凌ぎながら毎日旅するチトとユーリ。拾った「びう」を飲んで酔っ払ったり、魚を見つけたりロボットと会話する。道中でカナザワやイシイといった生存者にも遭遇する。

少女週末旅行© つくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

旅の途中、寺院や石像のようなものを発見する。人類が崇拝していた宗教や神を垣間見るふたりだったが、彼女たちの目の前にあるのは「何もない世界」そして「大切な友人」だけだった。「あんなのただの石像だよ」と言うふたり。

少女週末旅行© つくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

上層に向かう途中の廃墟で謎の生命体「ヌコ」と出会う。チトとユーリはヌコをケッテンクラートに乗せて旅を続けることにした。食べ物は砲弾で、だんだんと言葉を覚えるヌコ。そして、音楽が聞こえた方角へ導かれるふたりとヌコ。

少女週末旅行© つくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

そこには原子力潜水艦が放置されていた。チトとユーリは中を探索し、世界の歴史にふれる。しかし、翌朝目覚めると謎の生命体「エリンギ」が現れてユーリを一飲みにしてしまうのだったーーー。

 

終末をゆく、登場キャラクターたち。

頭脳担当・チト

少女週末旅行© つくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

ユーリからは「ちーちゃん」と呼ばれていて、黒髪を二つに結んでいつもヘルメットを被っている少女。読書が大好きで、おじいさんから貰った本や拾った本を収拾しています。廃墟で本を見つけると、何かと理由をつけて拾う様子が可愛らしいです。その甲斐あって、ひらがなの様な文字なら読み書きすることができる他、本から得た様々な知識も持っています。

少女週末旅行© つくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

ケッテンクラートの運転を担当していて、おまけに機械いじりも得意という。何気にかなりの天才少女…!弱点は高所恐怖症なことと、ちょっぴり臆病なこと。素直になれない性格ですが、ユーリのことをとても大切に思っています。

少女週末旅行© つくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会© つくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

「びう」(ビールの様な飲み物)を飲んだ時に、酔うと開放的になるタイプということが発覚しました。天才ということを除けば、見ている側が一番共感しやすいのはチトではないでしょうか?

体力担当・ユーリ

少女週末旅行© つくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

チトからは「ユー」と呼ばれていて、長い金髪で背が高い少女。チトとは反対に頭を使うことは苦手ですが、運動神経抜群で小銃もかなりの腕前。結構高いところからロープで降りて行ったり、ケッテンクラートを押したりと少女らしからぬ体力の持ち主です。

少女週末旅行© つくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

とにかく食べることが大好きで、食べ物のためならどんな苦労もいとわない性格。ギャグを言ったり、すぐ寝たりと楽観的な生き方をしています。物事を軽くみすぎて、チトに怒られるシーンがたくさんあります。毎回ちゃんと謝っているところが素直。

少女週末旅行© つくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

ナチュラルにぶっ飛んだ行動をよくしますが、肝心な時に頼もしい子。時折、核心をついた発言をすることも。「絶望と仲良くなろうよ〜」と言うユーリは、ある意味、終末世界を一番冷静に見ているのはユーリかもしれません。

地図を描く生存者・カナザワ

3話に登場する、終末世界の生存者。バイクに乗って地図を描きながらあてもなく旅していました。上の階層に行くために、ビルを爆破して溝に橋をかけてくれました。バイクが故障したため、上層の入り口までチトとユーリのケッテンクラートに乗せてもらいます。

少女週末旅行© つくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

彼女を亡くしたカナザワは、一人きりで地図を描くことだけが生きがいでした。しかし、上層へ向かうエレベーターの揺れで今まで描き貯めていた地図を落としてしまいます。落ち込むカナザワに、夜景を見ながらユーリが「意味なんかなくてもさ、たまにはいいことあるよ」と呟く名シーンです。

 

ふたりと別れた後に、カナザワが生きているのかは描かれていません。エリンギ達の「現在生きている人間は、君達二人しか知らない」発言からして、恐らく死亡したと考えられます。

飛行機をつくる生存者・イシイ

6話で登場する女性。とある施設で、飛行機の図面を発見したイシイは試作機造りを繰り返していた。ちょうど、チトとユーリのケッテンクラートが故障した時に出会い修理をしてくれました。イシイは飛行機を完成させて隣の都市を目指していて、ふたりはケッテンクラート修理のお礼に作業を手伝います。

少女週末旅行© つくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

やがて飛行機は完成して、イシイは空に飛び立ちます。安定している様に見えた飛行機は途中で大破し、堕ちていきます。イシイはパラシュートで助かりますが、下層に落ちてゆきました。その時、彼女は肩の荷が降りた様に笑顔で空を降りてゆきます。双眼鏡でイシイの笑顔を見て、ユーリは「仲良くなったのかも、絶望と。」と言います。

 

きっとイシイは、目的を持つことで生きる意味を見出していましたが、この時やっと世界の終末を受け入れることができたのでしょうね。カナザワ同様に、イシイのその後については描かれていません。

「少女終末旅行」の原作ラストを考察

さて、アニメではコミックスの4巻までの内容を放送された「少女終末旅行」。原作はコミックス6巻で完結済みです。残り話数もわずかと言うこともあってか、いまのところ2期の制作は予定されていないようです。他の作品とはひと味もふた味も違う名作なだけに、ちょっと残念です…!

少女週末旅行© つくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

アニメ最終話では、エリンギ達によって徐々に世界が終わることを告げられたふたりですが、それでも旅を続けます。最終話まで観た方は「このあと結局、チトとユーリはどうなったの?」と思うのではないでしょうか?原作の最終話でふたりがどうなったかをネタバレ考察したいと思います。

チトとユーリは死亡したのか?

ふたりは相変わらず旅を続けますが、ついにケッテンクラートが故障してしまいます。流石のチトでも対処できない故障で、完全に機械の寿命でした。今までずっと一緒に旅してきた愛車なので、チトは泣きながら別れを惜しみます。

少女週末旅行© つくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

リュックに最低限の荷物を背負って、歩いて最上層階を目指します。こんな世界でもなんだかんだ楽しそうだったチトとユーリ(特にユーリ)も、疲れて言葉をなくしたまま階段を登り続けるのが切ないです。

少女終末旅行© つくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

やっとの思いで最上層階にたどり着きましたが、そこには大きな石が一つあるだけで何もありませんでした。ふたりも読者も、うすうすそんな気はしていましたが、絶望の中に希望を見つけて欲しかっただけに…かなりヘビーな現実です。

少女終末旅行© つくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

そしてふたりは一緒に寝袋に入り、「生きるのは、最高だったよね…」と言いながら眠ります。食料も尽きていたので、普通に考えればこのまま餓死か凍死してしまったのだろうと思います。ハッピーエンドでは無くても、終末世界のゆるい日常としては素晴らしい締めくくりでした。

モノリスで違う世界にワープした可能性

チトとユーリは最上層階で死亡したというエンドを信じたくないのもありますが、最後に出てきた謎の大きな石=モノリス=ワープストーンになっていて、ふたりは今後も他の惑星で生きていくのではないか?と考察します。

少女終末旅行© つくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

物語の舞台自体がポストアポカリプスであることから、希望は薄いかもしれません。しかし、旅の道中でロケット施設を発見したことから、人類の一部が宇宙に移住していてもおかしくないこと。また、エリンギ達のような明らかな宇宙人的存在が明確なことからして、ワープという概念もありそうなこと。それに、おじいさんが上へ行けと言ったのには理由がないとおかしいことなど…色々な理由が考えられます。もしくは、宇宙=極楽浄土という捉え方で、死後の世界で再び生きていくという終わりもありそうです。

少女終末旅行© つくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

どちらにしろ、原作でもはっきりとした解釈は描かれていないので想像にお任せといった感じです。この作品は生きることや文化、戦争などについて自分で考えることが楽しい作品でもあるので、最後まで楽しませてくれるラストも見事です。

 

アニメ「少女終末旅行」の感想&配信中のサイト紹介

登場キャラも少なく、静かな世界で淡々と流れていくストーリー。それなのに、ハラハラしたり、ふたりの一言にハッとさせられたりと心揺さぶられる不思議な作品です。私たちが普段あたり前に使っているものや、生きている環境の意味について考えさせられます。


そして何より、チトとユーリの可愛さが止まりません!ゆるかわいいふたりに油断していると、何気ない名言が飛んできて心に刺さります。ちなみに、ゆるい絵柄ながらもアニメーションや背景が作り込まれているので、廃墟やミリタリーフェチな方にもこっそりおすすめです!

 

アニメ「少女終末旅行」は 動画配信サイトで配信中です。取り扱っているサイトは、いまのところ、NetflixAmazon prime videoの2つです。どちらも1話から12話までの全話配信中なので、ぜひご覧ください。

最後までご覧いただきありがとうございました。

(2019年12月現在の情報です。詳しい情報は公式サイトでご確認ください。)