あなたには戻りたい時間、空間、青春の日々はありますか?
「時をかける少女」は2006年に公開されたアニメ映画です。タイムリープをテーマにしたSF×青春×恋愛の夏の王道作品の魅力についてお伝えします。
©「時をかける少女」製作委員会2006
時をかける少女ってどんな映画?
「時をかける少女」は筒井康隆のヤングアダルト向け小説を原作とした2006年に公開されたアニメ映画です。原作の20年後を舞台としておりシナリオも異なりますが、タイムリープの能力を手に入れた少女の青春を描くという原作の要素もとにアニメーションという新たな表現方法で作られた名作です。監督はのちに「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」などを生み出すことになる細田守さんが務めたことでも有名です。
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時空を駆け巡る少女のひと夏
©「時をかける少女」製作委員会2006
誰もが1度は妄想したことがあるのではないでしょうか。
「失敗したミスを過去に戻って取り消したい!」「何度も過去に戻って美味しいものを繰り返し食べたい!」
そして「あの時に戻ってもう一度あの人に会いたい」そんな夢や願いを叶える不思議な力“タイムスリップ”。
そんな人類の夢である時間移動をテーマにした映画作品は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を始め、「ターミネーター2」「バタフライエフェクト」など数多く存在しています。
今回はある夏の日、突然タイムリープの能力を手に入れた少女が時空を行き来する中で本当に大切なものに気が付く、そんな物語をアニメーションの繊細な表現で描写しています。
©「時をかける少女」製作委員会2006
監督・細田守が描く夏の始まり
こちらです。“@cinematoday: [映画]細田守監督3年ぶり新作は来年7月公開!バケモノと少年の物語『バケモノの子』 http://t.co/JYXZJb5NEh pic.twitter.com/tR49tiub0T”
— 細田守 (@hosodamamoru) December 11, 2014
今でこそ「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」「未来のミライ」など大ヒットのオリジナル作品を発表している細田守監督ですが、その名を世間に知らしめたのがこの「時をかける少女」です。
公開当初はそれほど多くの映画館では上映していませんでしたが、少しずつ人気に火が付き異例のロングラン上映になったそうです。
「時をかける少女」のあらすじ
あらすじをご紹介。
©「時をかける少女」製作委員会2006
待ってられない 未来がある。
ボーイッシュな女子高生の真琴。医学部志望の功介。少しやんちゃな千昭。高校2年の夏。
三人は何をするにも一緒だった。この先もずっと、この関係は変わらないと思っていた。
主人公の真琴は、学校の理科準備室で謎の人影に驚き転倒し、なぜかタイムトラベルの能力を手にする。
タイムリープの万能性に気が付き、力を好き放題に使い日々を送る真琴だったが、ある日友人だと思っていた千秋からの突然の告白に戸惑いタイムトラベルの力を使い「無かったこと」にしてしまうのだが、、、
「時をかける少女」のここにも注目してほしい!
時をかける少女をみるなら見逃せないポイントを紹介いたします。
“タイムリープ”
実はこのタイムリープという言葉自体が原作である筒井康隆さんの「時をかける少女」から生まれたと言われています。
和製英語で、日本語に直すと「時間跳躍」となります。
時間を飛び越えて移動することが出来るという意味ですが、今回紹介しているアニメ「時をかける少女」では主人公の真琴が様々な条件で空へ飛ぶことで時空移動するという演出が加わったことでより“リープ”感の強い作品となっています。(原作ではラベンダーの香りを嗅ぐとタイムリープするという設定)
小説・時をかける少女とのつながり
アニメ「時をかける少女」は筒井康隆さんのヤングアダルト小説「時をかける少女」を原作としていますが、20年後の世界を舞台にした全く別のシナリオとなっています。
しかし、実は小説版の主人公である芳山和子が真琴の叔母の魔女おばさんとして登場しているのです。
芳山和子という1人の登場人物を通じて、2つの作品が共通の世界線でつながっていることが分かります。
和子の部屋に飾ってある写真には、制服姿の女子1人と男子2人が写っています。
特に言及はされていませんが、原作における功介と千昭のポジションにあたる和子の同級生・深町一夫と浅倉吾朗ではないかと思われます。
「時をかける少女」の世界を彩る楽曲たち
「時をかける少女」の楽曲は主題歌、挿入歌はともにシンガーソングライターの奥華子さんが手がけています。
細田守監督と同じく、当時は無名だった彼女はこの作品をきっかけに知名度を上げていきます。
主題歌「ガーネット」と挿入歌「変わらないもの」はどちらもノスタルジックでまっすぐに心に響きます。
歌詞の内容も映画のストーリーと非常にマッチしており映画で主題として描かれている青春の煌めきと切なさをさらに増幅させてくれます。
また、「ガーネット」は、真琴目線。
「変わらないもの」は、千昭目線などキャラクターたちの心情描写に重ねて合わせて聞くとまた違った楽しみ方も出来るのでお勧めです!
時をかける少女 まとめ
「時をかける少女」はタイムリープというSFの王道設定や時間軸のズレを利用した巧みなストーリー展開なども大きな魅力ですが、何よりもまず、こんなにも青春の儚さと恋愛の甘酸っぱさを徹底的に描いた作品は他にありません。学生時代という、過ぎてしまえば一瞬の、けれど永遠に心に残り続ける“時”がこの作品には詰まっています。
進むべき未来から目を背け変わりたくないと駄々をこねていた少女が、移り行く夏と時間を飛び回る中で自分の気持ちと向き合っていく過程にも胸が熱くなること間違いなしです。
(2019年9月現在の情報です。詳しい情報は公式サイトでご確認ください。)